月刊優駿 2022年5月号 No.941

優駿ノンフィクションシリーズ ライダーからジョッキーへ 小牧加矢太、25歳の転身
「競馬学校に入れず一度は諦めたのに、まさか障害のジョッキーになるなんてね。夢にも思わんことやで。人生って面白いね。」小牧太は笑顔を見せながらこう答えた。競馬学校を卒業せず、地方や海外からの移籍でもなく、異色の経歴を引っ提げてJRAの騎手となった息子について尋ねた時のことだ。青年期の急激な成長と減量の狭間で苦しみ、一度は騎手になる夢を諦めた小牧加矢太。あの挫折から。10年の歳月を経て、25歳となったこの春に新たな道を切り拓くことに成功した。